日本の法廷ドラマ「昔話法廷」が面白くて考えさせられる!【台湾人の反応】

童話の『三匹のこぶた』や『白雪姫』を題材にしたNHKの法廷ドラマ『昔話法廷』が台湾で紹介されていました。物事を異なる視点から見ることについて考える台湾人の反応をまとめました。
《昔話法廷》昔話を異なる立場・観点から再考してみる
むかしむかしあるところに三匹のこぶたがおりました…。冒頭を聞くだけで物語のラストがどうなるかお分かりでしょう。小さい頃に聞かされた昔話は誰が悪人で誰が善人かを教えてくれますが、片方の言い分しかないと思ったことはありませんか? 日本の短編ドラマ『昔話法廷』は法廷が主な舞台で、登場する被告人は私たちがよく知っているキャラクター(『三匹のこぶた』の末っ子や『白雪姫』の意地悪な王妃など)です。この短編ドラマは私たちに違う角度から、今までとは異なる立場・観点で昔話について考えさせてくれます。
昔話法廷第一話で出て来たのは『三匹のこぶた』のお話です。
オオカミはお兄さんたちの家を吹き飛ばしましたが、末っ子の家を壊すことができず煙突から室内に侵入し、お湯が煮えたぎった鍋の中に転がり落ちて死んでしまいます!
・二番目のお兄さんの家も吹き飛ばされてしまいます
・煙突によじ登るオオカミ
・煮えたぎる熱湯に落ちてしまったオオカミ
・末っ子が大きな石をふたの上に置きます
・昔話法廷ではオオカミの母親が末っ子・トン三郎を計画的犯行の罪で訴えます!
トン三郎がオオカミを殺すために、オオカミが煙突から室内に入ってくるようわざとおびき寄せたのだとすると、トン三郎には計画的殺人の嫌疑がかけられます。
しかし、もしオオカミが自分で鍋に落ち、トン三郎が正当防衛のため鍋のふたを閉めてオオカミを死亡させてしまったのだとすると、正当防衛過失致死ということになります。
トン三郎を訴えたオオカミの母親によると、こどものカレンダーには「3時 豚肉パーティー トン三郎の家」と書いてあったというではありませんか! 6時頃トン三郎の家にこどもを探しに行ったオオカミ母ですが、トン三郎の家は留守でした。
閉じられた窓の隙間から家の中をのぞくと、「オオカミのただしいころし方」という本が机の上に置かれています!
調査により、トン三郎はオオカミ殺害の三日前に非常に大きい鍋を購入したことが発覚しました。しかも午後三時以降にお湯を沸かし始めています(食事時ではないことにご注意下さい)検察はさらに、煙突の内側にぬるぬるした油が塗られていた事実を突き止めました! 更に、オオカミ死亡時には鍋の上に大きな石が載せられていたことが分かっています。
・この大きく重たい石は、ひとりでは動かすことができません
よって検察はトン三郎はオオカミが兄たちの家を壊したことを根に持ち、オオカミ殺害を企てたのだと結論づけました!
もちろんトン三郎の弁護士も異議を申し立てます!
1.オオカミ母がトン三郎の家を訪れた時はもう夕暮れ時で、薄暗かった。よって「オリガミのただしいおり方」を「オオカミのただしいころし方」と見間違えてしまった
2.トン三郎がオオカミを家に招いたと言うが、オオカミ家のカレンダーには「豚肉パーティー」と書いてある。トン三郎が自分の身を危険にさらす行為をとる必要はあるだろうか?
・この昔話法廷、『三匹のこぶた』以外では『白雪姫』編も開廷しています
・被告人は王妃です
王妃は白雪姫に嫉妬して白雪姫の殺害を思いつき、老婆に扮して白雪姫に毒りんごを食べさせました。白雪姫は毒りんごを食べた後意識不明となり、偶然通りかかった王子に助けられました。よって王妃は殺人未遂だと告発します。
王妃は毎晩魔法の鏡に「この世で一番美しい人は誰?」と尋ねていました。鏡が白雪姫と答えると、「そんなにも美しい白雪が憎い。白雪さえいなければ私がもっとも美しいのに」と白雪姫を罵ったといいます。王妃が自分を殺そうとしていると知った白雪姫は大きくなると城を離れ森で暮らすようになりました。
白雪姫にりんごを食べるように仕向けた老婆は、白雪姫がりんごを飲み込み苦しみ始めると、大声で笑いだしたそうです。
「老婆の笑い声を聞いてすぐに王妃だと分かったのですか? 体がりんごの毒で侵されているのに、王妃と本当に判断できるのでしょうか?」と弁護士が異議を申し立てます。
・検察官が昔お城で働いていた猟師を証人として召喚します
猟師の証言「王妃は私に白雪姫を殺害させようとしました。でも私は白雪姫を逃がして、王妃には嘘をつきました!」
しかし事件発生の三日前、猟師は森で白雪姫が青年とおしゃべりしているのを見かけたといいます。その青年が白雪姫を救った王子なのです…
いったい何がどうなっているのでしょうか? 他にも色んなシーンがあり、かなり面白いドラマとなっているので、どうかご自分の目で確かめてみて下さい。昔話法廷は全三話、各15分です。
・第一話 三匹のこぶた(視聴はこちら)
・第二話 かちかち山(視聴はこちら)
・第三話 白雪姫(視聴はこちら)
昔話法廷を見て少しはものの見方が変わりましたか?
どんな事柄に関しても、一方的なものの見方をしてはいけませんよね。そう思いませんか?
台湾人の反応
- 昔話って表向きは美談だけど、内実はどす黒い。
- 異議あり!
- ページが見つからない
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審判の過程を見たかったなぁ0.0 - このドラマ結構昔のやつじゃなかったっけ?w
- ちょっと古いけど面白いよ。だからわざわざ書き出してブログにアップしたんじゃないかなQAQ
- 見終わると時によっては法治より人治(訳注:儒教思想で為政者が徳や権威で国を治めること)の方が良いこともあるもんだと思った…
- お湯を沸かした後なんだから、煙突から煙があがってるんじゃ
- 遠子先輩も言ってるだろ、登場人物の数だけ物語があるのさ
- 動画は見てないけど、もし上記の描写からだけで判断するなら、『三匹のこぶた』の判決には疑問がある。
オオカミがこぶたの家を壊して彼らを食べようとした時、どうして逮捕されなかったんだ?計画性殺”豚”を3回連続でしているのに、公権力の介入がないなんて。しかも加害者が殺害された途端いきなり”法律”の存在が出てくるの? おかしいだろ。
アメリカの法律だとオオカミに明確な犯意があるため、こぶたは無罪になる可能性が高い - 王妃は殺人未遂については無罪だけど、猟師への殺人教唆成立からは逃げられない
21 件のコメントがあります
豚肉がしゃべった!
キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!
オオカミさんが豚を殺すのは生きるための特権で
ブタさんがオオカミを殺すのは過剰防衛ってことか
アメリカ軍がイスラム教徒の住人を殺害したら「誤爆」
イスラム教徒がアメリカ市民(例え軍属であろうが)を殺したら「テロ」
後付の条件がいまいち過ぎてダメだな
3匹の子ブタのオリジナルの話だけなら、正当防衛か過剰防衛による過失致死かってことだな。
白雪姫の場合は(致死量じゃない)睡眠薬を飲ませただけだから傷害になっても殺人にはならない。そもそも、呪いとか魔法って立証できないから証拠不十分で無罪w
NHK自体が政治的に偏った一方的な見方しか提供しないという皮肉は
言ってはいけない
インターネットでNHKの番組が視聴できる。
したがってインターネットに接続できる設備を所持しているなら
NHKへ視聴料を払わなければならない。
↑ こう言い出すのはすぐ間近だな。くたばれNHK!
途中でこの番組知ったけど、最初からみたくて視なかったんだよな
ネットで見れるなんて知らなかった
一番上の兄豚の家→藁の家→アフリカ文化
二番目の兄豚の家→木の家→アジア文化
3番目の弟豚の家→レンガの家→ヨーロッパ文化
アフリカやアジアの人間は怠け者でまともなものを作れない。
それに比べてヨーロッパの人間は勤勉で立派なものを作る。
だから白人が黒人や黄色人種を奴隷として扱うのは当然なのだ。
というレイシズムが刷り込まれた話
アフリカはレンガ造が多いよ、日干しレンガだけど。
レイシズムとまでは言わないけど、藁<木<レンガって序列がイマイチ納得できないな。
構造的には木造よりレンガ造の方が簡単だし。
この物語がターゲットにしていた当時の子供たちに、
「アフリカはレンガ造りが多い」とか「構造的には木造よりレンガ造りの方が簡単」
という知識があったの?
「現実はどうだ」ってのは、この場合何も関係がない。
ヨーロッパの昔話の文脈では、「藁」というのは貧しさの記号になってるんだと思う。まあ日本でも「わらしべ長者」とかがそうだけどね。
「金>銀>銅」という序列にしたって、どうせさしたる正統性があるわけじゃないから。
中国、パキスタン、ネパール、インドetc…土壁や石材煉瓦の家屋が多いと思うんだけど?
あなたのアジアって日本以外にないのかな?
人種は違ってもやっぱり兄弟なのだ、というメッセージも併存してるじゃないかw
親豚なら、単独の狼なんて返り討ちにした挙句に食べてるんだけどなw
真面目な話、藁の家を息で吹き飛ばした時点で化け物だろ
さらに木造家屋を吹き飛ばすとか、台風か竜巻並みの息とか・・・
元々の話では、上の兄弟二匹は食べられて死んでいるんだよな。兄弟二匹が生きている時点で、全然話が違うよな。
最近の豚が食べられていないバージョンの話の上に、大鍋を直前に購入とかいう変な情報を付け加えて、悪質な誘導だろう。
しかも、NHKのページには、「裁判員の考える判決」というページがあって、ドラマで裁判員を演じた役者さん(というか裁判員)のコメントとして有罪だと思います。なんて書いてあるし。これが別に正解を書いてあるわけではない、というリテラシーのない子供にこの手の誘導をしちゃダメだろ。
ドラマ本編で、判決部分を作らずに自分で考えましょうという体裁をとっているのに。
NKHの誘導やら、ドラマの作り方まで含めて、世論誘導やメディアリテラシーの教材として教えるのが、正しい使い方だという気がしてきたw
そもそも子豚の話はオオカミが殺人者であるワケで、他人が家を破壊して侵入して来て兄弟を2人殺した挙句に「食べてやる」なんてほざいたら、ショットガンで頭をぶち抜かれても文句が言えないレベル
末っ子豚が正当防衛の過失致死なら、オオカミは不法侵入・器物損壊・恐喝・殺人未遂(末っ子)・殺人(長男、次男)ってコトになる
計画殺人たって、そもそも普段から子豚を殺して食おうと狙ってるのはオオカミの方だし、物語の中に治安維持機構が存在しない以上、自己防衛は自然な事だと思うが。
もっと細かく言えば、豚同士・オオカミ同士の犯行は殺人になるんだろうけど、豚vsオオカミの異種対決になると、人間vs害獣と同じ扱いになる。
人間がクマやイノシシを罠に嵌めて、計画殺人になる?駆除作業だろ
豚と狼だからというのはとりあえず置いとくとしてw
「正当防衛」の定義も文化次第だよね。
アメリカなら、家に侵入しようとした狼を射殺しても正当防衛が成立するだろうけれど、
日本で同じことをすれば、間違いなく過剰防衛とされるだろう。
この辺、文化と習慣によって、どこまでが許され、なにが罪になるのか一律に判断できない。
としか言いようがない。
で、おとぎ話の世界にどのような基準を適用するのが妥当かと言われると・・・正解はないよね。
アイディアとしてはいささか安易であまり感心しないな。
とはいえ安易だからこそ、あまりマジメに批判する気にもならない。
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